打ち合わせから戻ってきた夜、私は机に座って、ノートPCの小さなテキストファイルを開きます。
その日の打ち合わせで何が決まったか、何が宿題に残ったか。
思いつくだけ書きます。
——気づくと毎回、ブログ1本分くらいの量になっています。
書くときに自然とやっていることが2つあって、その日の仕組みがどう動いたかと、その場にいた人がどんな顔をしていたかを思い出すことです。
地味な習慣ですが、10年以上続けています。
今日は、私がふだんやっている仕事の記録の残し方を、そのまま書いてみます。
私は、打ち合わせやイベントのあとに振り返りを書き残しています
打ち合わせやイベントが終わったあと、その日のうちに振り返りを書いておく。
たった、それだけのことなのですが、続けていると、自分のクセが見えてきます。
毎回どういう方向に話を持っていくか、どこで場が盛り上がったか、相手のどんな反応に自分も反応しているか。
書き残さないと気づかないまま通り過ぎていたことが、輪郭として重なりはじめます。
私の場合は、帰宅後、PCのテキストファイルに、打ち合わせやイベントの振り返りを書きます。
その場でどんな話の流れになったか。何が決まったか。決められなかったこと、持ち越したこと。次の宿題。そして、相手がどんな顔をしていたか。
それらを軸に、思いつく限り書いていきます。
コツがあるとすれば、体裁を整えたり、文章として成立させようとしながら書かないことです。
思い出した順に、時系列関係なく、とにかくできるだけ漏らさないように書く。
書いている最中は、読まれることを気にしなくていいです。同じことが何回出てきてもいいです。
なぜ当日のうちに書くかというと、翌朝になると、その場の空気や相手の表情が、もう半分くらい薄れてしまっているからです。
「そんなに打ち合わせやイベントはないから、自分には関係ない」と感じる方も、いると思います。
私もはじめ、そう思っていました。
でも書きはじめると、短い打ち合わせのなかにも、決まったことや迷ったことが、案外いくつもあります。
誰かの表情が、ふと蘇ってくることもあります。あのとき、あの人は少し困った顔をしていたな、と。
仕事の記録の残し方には、人それぞれのやり方があると思います。
私はこの振り返りを、打ち合わせやイベントのあるたびに、ここ10年ほど続けています。
その間に、AIがアシスタントのように動いてくれるようになり、いくつかのメモの最大公約数を探ってもらうことなどもできるようになりました。
書き残すために、私が使っているもの
道具は、たいしたものは使っていません。
テキストエディタは何でもよいのですが、私はMacのアプリ「mi」に、思いついたことを書いていくだけです。
書き残したら、必ず誰か一人に渡すところまでをワンセットにする
書くだけだと、テキストエディタの中で完結してしまいます。
私は、書いた素材を、必ず誰か一人に渡すところまでを、書き残すことのワンセットにしています。
「渡す」と言っても、大げさなものではありません。
渡す先は、相手によって変えています。
短い進捗連絡をクライアントに送る
その日の打ち合わせや作業のあと、クライアントに3行の進捗連絡を送ります。メールの方にはメールで、LINEでつながっている方にはLINEで。
「本日決まったこと」「次の宿題」「次のご連絡時期」。
それだけです。
あるクライアントから、こう言われたことがあります。
「あのメールが、議事録として一番残るんですよ」と。
きれいなプレゼン資料よりも、短いメールが届き続けるほうが、信頼のベースにはなるのかもしれない。
そう感じてから、欠かさず続けるようになりました。
ひとつの考え方として、書き残すことから始めてみる
事業の発信について書かれたネット上の記事を読むと、「毎日ブログを書きましょう」「SNSを更新しましょう」という言葉に出会います。
それも、ひとつのやり方だと思います。
ただ、私はその手前に、もう一段あると感じています。
その日の打ち合わせやイベントの振り返りを、当日のうちに書き残しておく。
そして、書いたものを、誰かに渡す。
書いてから伝えるのではなく、書きながら伝える。
そういう順序で考えると、発信は、肩の力を抜いて続けられるようになります。
これも、唯一の正解ではありません。
ただ、私自身は、打ち合わせのあとに振り返りを書くことから始めてみて、ここまで続いてきました。
書いているうちに、その日の仕組みが見えてきて、誰かの顔が浮かんでくる。そのくり返しが、続けてこられた理由かもしれません。
こういう振り返りを続けていると、ときどき、誰かに読んでもらいたい話が出てきます。
思いつく限り書こうとしながら始めて、最終的にこんな記事になることがあります。
みんなのきれいに会いに – 東川「おくすりてちょうをつくろう」
その日の仕組みと、子どもたちの顔を思い出しながら書いた文章です。
事業を続けていくための足元は、今日の振り返りに詰まっていると考えています。




