JOURNAL

提案書に「届け方」まで書く理由

提案書を受け取ったとき、いちばん心がときめくのは、ロゴの案が並んでいるページや、パンフレットの世界観が見えてくるページではないでしょうか。これから自分のお店やブランドが、どんな表情を持つようになるのか。そのイメージが立ち上がってくる瞬間には、特別な高揚感があります。

けれど、そのページをめくり進めていくと、SNSでの発信の仕方や、卸先への営業のかけ方、展示会での見せ方といった話が出てくることがあります。デザインの相談をしていたはずなのに、話の中身が少しずつ、これからの事業の動かし方そのものに広がっていく。「ここまでの範囲を、お願いしていただろうか」と、ふと立ち止まって考えることがあるかもしれません。

これは、決して不思議なことではないと思います。ロゴやパンフレットという、目に見える形のあるものと、届け方という、目に見えにくいものとでは、受け取る側の感覚も自然と違ってきます。前者は「お願いしたデザイン」として素直に受け取れても、後者は「なぜこの人が、ここまで」という問いを、心のどこかに残すことがあります。

けれど、この届け方の話には、実はとても大切な意味が込められています。デザインという入口から始まって、その先にある依頼主の毎日や、これからのお客様との関係まで見据えたときに、初めて見えてくる景色があるのです。

ここから先では、なぜ提案書に届け方まで含まれているのか、それがどんな意味を持つのか、そして、そうした提案とどう向き合っていけばいいのかを、順にお伝えしていきたいと思います。

渡部忠

ロゴやパッケージ、Webサイト——デザインに関わることで迷っているとき、手がかりになればと書いています。もし具体的に動き始めたいと感じたら、下からご相談ください。

渡部 忠(わたなべ ただし)

デザイナー

  • STUDIO FELLOW — ロゴ・パッケージ・Web・グラフィック・ブランドのデザイン(2004年〜)

長野県安曇野市を拠点に、全国のクライアントと仕事をしています。

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