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ロゴのバリエーションは、使う場面から逆算して決める

ロゴを制作するとき、横組みにするのか、縦組みにするのか、バリエーションの考え方はさまざまです。

横組みだけで提案する方もいれば、10種類以上のパターンを用意する方もいます。 今回は、ロゴのバリエーションをどこまで用意するか、その判断の手がかりをお伝えします。

バリエーションを用意する理由

ロゴのバリエーションを用意する理由は、使う場面が複数あるからです。

名刺に載せるとき、Webサイトのヘッダーに置くとき、封筒に印刷するとき——それぞれ、ロゴを配置できる面積や形が違います。
横長の場所に縦組みのロゴを無理に押し込むと、余白が大きくなりすぎて、バランスが崩れます。
逆に、縦長のスペースに横組みを入れようとすると、文字が小さくなって読みにくくなります。

バリエーションは、ロゴを使う人が困らないように、あらかじめ用意しておく選択肢です。
「この場面ではこれを使えばいい」と判断できる状態にしておくことで、ロゴが安定して機能します。

よく用意されるバリエーションの種類

ロゴのバリエーションには、いくつかの軸があります。
ここでは、実務でよく出てくる3つの軸を挙げます。

1. 組み方向(横組み・縦組み)

横組みと縦組みは、配置する場所の形に合わせて使い分けます。
Webサイトのヘッダーや看板には横組み、縦長のバナーや封筒の隅には縦組みが向いています。

ロゴタイプとシンボルマークを組み合わせたロゴの場合、横組みと縦組みで配置の順序が変わることもあります。
横組みでは「シンボル + ロゴタイプ」、縦組みでは「シンボルを上、ロゴタイプを下」という構成です。

2. 色の扱い(フルカラー・モノクロ・白抜き)

フルカラーのロゴが基本形ですが、印刷物や背景によっては、モノクロや白抜きが必要になります。
新聞広告や書類は、モノクロ印刷が前提です。
写真や濃い色の背景の上にロゴを載せる場合は、白抜きのほうが視認性が高くなります。

色を落としたときに、ロゴの骨格がきちんと見えるかどうかは、デザインの段階で確認しておく必要があります。
色に頼りすぎた構造やグラデーション主体のものだと、モノクロにしたときに印象が弱くなることがあります。

3. 要素の省略(シンボルのみ・ロゴタイプのみ)

SNSのアイコンや、ごく小さなスペースには、シンボルマークだけを使うこともあります。
逆に、シンボルを省いてロゴタイプだけで運用する場面もあります。
これらは、ロゴの構造によって用意するかどうかが変わります。

どこまで用意するか——判断の手がかり

バリエーションは、多ければ良いというものではありません。
使わない選択肢を増やすと、かえって判断に迷いが生まれます。
ここでは、どこまで用意するかを決めるときの手がかりを3つ挙げます。

手がかり1: 使う場面を具体的に挙げる

まず、ロゴを使う場面を書き出してみます。
名刺、封筒、Webサイト、看板、SNS、パッケージ——それぞれの場面で、ロゴを配置できる形と大きさが見えてきます。

縦長のスペースが多いなら縦組みが必要ですし、モノクロ印刷が前提の媒体があるなら、モノクロ版は用意しておいたほうが安心です。
逆に、縦組みを使う場面がまったくないなら、無理に用意する必要はありません。

手がかり2: 運用する人の判断力に合わせる

ロゴを日常的に扱うのは、デザイナーではなく、事業を運営している方です。
その方が、どの場面でどのバリエーションを選べばいいか、迷わず判断できる状態にしておくことが大切です。

選択肢が多すぎると、「これで合っているのか」と不安になります。
逆に、バリエーションが少なすぎると、使いにくい場面が出てきて、自己流で調整されてしまうこともあります。
ちょうど良い範囲は、事業の規模や、運用体制によって変わります。

手がかり3: 最低限を決めて、あとから追加する前提にする

納品時には、最低限のバリエーションだけを用意して、運用しながら必要なものを追加していく、という進め方もあります。

あるクライアントは、最初は横組みとモノクロの2種類で運用を始めて、半年後に縦組みを追加しました。
使ってみないと見えてこない場面もあるので、最初から完璧を目指さず、段階的に整えていく余地を残しておくほうが、現実的なこともあります。

バリエーションは、ロゴを守るための設計

ロゴのバリエーションは、ロゴを使う人が困らないように、あらかじめ選択肢を用意しておく作業です。
横組み・縦組み・モノクロ・白抜き——それぞれに意味があり、使う場面があります。

どこまで用意するかは、事業の規模や運用体制、使う場面の具体性によって変わります。
最初から完璧を目指すより、必要最小限から始めて、運用しながら追加していく余地を残しておくほうが、無理なく続けられます。

バリエーションは、ロゴを守るための設計です。
使う人が迷わず、ロゴが安定して機能する状態を、少しずつ整えていく。
その積み重ねが、ロゴの寿命を支えていきます。

渡部忠

ロゴやパッケージ、Webサイト——デザインに関わることで迷っているとき、手がかりになればと書いています。もし具体的に動き始めたいと感じたら、下からご相談ください。

渡部 忠(わたなべ ただし)

デザイナー

  • STUDIO FELLOW — ロゴ・パッケージ・Web・グラフィック・ブランドのデザイン(2004年〜)

長野県安曇野市を拠点に、全国のクライアントと仕事をしています。

Webやグラフィックのご相談を受け付けています

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