アクセス解析の画面を開くたびに、数字の多さに目が泳いでしまう——そういう経験をお持ちの方は、少なくないと思います。 セッション、直帰率、滞在時間、コンバージョン率、ページビュー。 どれも大事そうに見えて、どこから見ればいいのか迷う。 気づくと数字を眺めるだけで終わっていた、という日もあるかもしれません。 ここでは、数字に振り回されずに運用を続けるために、見るべき指標をどう絞っていくか、という視点をお伝えします。
すべての数字を追いかけると、何も見えなくなる
Google Analyticsをはじめとする解析ツールは、驚くほど多くの指標を表示してくれます。
ページごとのPV、離脱率、平均滞在時間、流入元、デバイスの比率、時間帯ごとのアクセス、地域分布——画面をスクロールするほどに、新しい数字が現れます。
どれも一見、役に立ちそうに見えます。
けれど、すべての数字を毎回チェックしようとすると、どの数字が動いたら何をすればいいのか、判断がつかなくなっていきます。
直帰率が高いのは問題なのか、滞在時間が短いのは良くないことなのか、ページビューが増えたのに問合せが減っているのはなぜなのか——数字を見れば見るほど、解釈に迷います。
私自身も、納品後に「どの数字を見ればいいですか」と聞かれることがあります。
その問いの背景には、数字をたくさん見ているのに、何をすればいいのかわからない、という戸惑いがあるように感じます。
数字を見る目的を、まず言葉にする
アクセス解析の数字を絞り込むために、最初にやることは、「なぜ数字を見るのか」を言葉にすることです。
解析ツールは、あくまで道具です。
道具には、使う目的があります。
目的がないまま道具を開いても、数字を眺めるだけで終わってしまいます。
たとえば、「問合せを増やしたい」という目的があるなら、見るべき数字は問合せフォームへの到達数と送信完了数です。
「ブログ記事を読んでもらいたい」という目的なら、記事ページのセッション数と、記事から他ページへの遷移率を見ます。
「どのページが読まれているか知りたい」という目的なら、ページ別のPVと流入元を見ます。
目的が変われば、見るべき数字も変わります。
目的を言葉にすることで、見なくていい数字が、自然と減っていきます。
見るべき指標を3つに絞る|運用を続けるための視点
ここからは、数字に振り回されずに運用を続けるために、見るべき指標を3つに絞る考え方をお伝えします。
視点1: ゴールに直結する数字を1つ選ぶ
まず、サイトのゴールに直結する数字を1つ選びます。
問合せ数、資料請求数、購入数、予約数——事業によって、ゴールは異なります。
この数字は、毎回必ず見ます。
増えていれば良い兆候、減っていれば何かが変わった可能性がある。
シンプルですが、ここがぶれると、他の数字をどう読んでも判断がつきません。
あるクライアントは、問合せ数だけを毎週チェックして、他の数字は月に一度しか見ない、という運用をされています。
それでも、問合せが減ったときには、流入元やページ遷移を確認して対応できている。
ゴールの数字を軸にすることで、他の数字を見るタイミングも明確になります。
視点2: ゴールへの導線を1つ追う
次に、ゴールにたどり着くまでの導線を1つ選びます。
たとえば、問合せがゴールなら、「トップページ → サービス紹介ページ → 問合せフォーム」という流れを追います。
この導線上で、どこで離脱が起きているかを見ます。
トップページからサービス紹介ページへの遷移率が低ければ、トップページの導線を見直す。
サービス紹介ページから問合せフォームへの遷移率が低ければ、ページの内容やボタンの位置を確認する。
導線を1つに絞ることで、数字の読み方が具体的になります。
すべてのページを見る必要はなく、ゴールへの道筋だけを追えば、改善の手がかりは見えてきます。
視点3: 流入元を1つだけ把握する
最後に、どこから人が来ているかを把握します。
検索、SNS、広告、直接流入——流入元はいくつもありますが、まずは最も多い流入元を1つだけ見ます。
流入元がわかると、どこに力を入れるべきかが見えてきます。
検索からの流入が多ければ、検索キーワードを確認して、記事の内容を調整する。
SNSからの流入が多ければ、SNSでの発信内容とサイトの内容がつながっているか確認する。
流入元を全部追いかけようとすると、施策が分散します。
まずは1つの流入元を把握して、そこからの導線を整えることで、ゴールへの道筋が安定していきます。
数字は、目的を持って見るほど静かになる
アクセス解析の数字は、見れば見るほど増えていくように感じます。
けれど、目的を持って見ると、数字は静かになります。
見るべき指標を3つに絞ることで、毎回の確認が負担にならず、運用が続けられる状態ができます。
数字に振り回されないというのは、数字を見ないことではなく、見る数字を選ぶことだと思います。
解析画面を開いたとき、何を見ればいいか迷わない。
その状態が、運用を続けるための最初の一歩です。




